映画評論32

2015年07月23日 22:40

にも負けて、風邪にも負けて、夏の暑さにも完敗のカリメン2号です。
季節の変わり目は、必ずと言って良いほど風邪を引いたり、体調を崩しますね…。
まぁ、そうは言っても今年は注目の映画が多いので、頑張って映画評論の数を増やそうと思っています。
月に一本ぐらいは、ブログにアップ出来れば良いですけど…。
ということで今回のブログ記事は映画評論です。
最新作という訳ではないですが、2014年度の邦画部門の1位に輝いた作品です。
ネタばれなどの情報を含みますので、嫌な方は見ないで頂けると助かります。

『そこのみにて光輝く』
 近年の日本映画には見られないほどの、生々しさを描き出していた作品である『そこのみにて光輝く』という作品は、第88回キネマ旬報ベスト・テンの邦画部門で1位を獲得した。監督は呉美保(お みぽ)という在日韓国人の3世である。1989年に出版された佐藤泰志の小説が原作であり、第2回三島由紀夫賞の候補作品となったものである。
 ストーリーは、仕事をせずにパチンコなどで遊んでいる綾野剛が演じる佐藤達夫は、特に目的もなく日々を無為に過ごしていた。両親は亡くなっており、妹からは両親の墓の事や、兄を心配する手紙が届いていた。そんなある日、町のパチンコ屋で、拓児という若者にライターをあげたことがきっかけで、そのお礼にということで家の食事に誘われた達夫。そこで拓児の姉の千夏と知り合うのであった。仕事で部下を死なせた達夫は、苦しみながらも千夏に惹かれていった。千夏も達夫に惹かれていったのだが、稼ぐために体を売り、弟の拓児のために造園業者の男と不倫していたのであった。そんな中で達夫は千夏と結婚を決め男と別れさせるために話し合いに言った。拓児を自分の採石場の従業員として、この最低な暮らしから抜け出そうともがくのだが、千夏が無理やり男と迫られて、弟の拓児がそれを知り、再び男を刺してしまうのであった。寝たきりの父親を手に掛けようとした千夏であったが、達夫がそれを止めるのであった。
 ファーストカットからして、人間の生の生々しさを見事に描いていた印象を受ける作品になっていた。発破作業によって死んだ同僚の夢や、暑さの感じることの出来るような部屋の様子などは、映画の作風を決定づけていた。ライティング全般に言えるのであるが、暗がりでも表情が見えるように工夫されており、自然体ですごく良かった。辰夫の部屋に千夏が泊まりに来たシーンでは、外にあるネオンの看板の光によってのみ表現されていたのは、秀逸であったように思う。それがあったので、夜道を歩く達夫のシーンのライティングが、違和感を感じられたのは残念でならない。演技に関しては、主演男優である綾野剛と主演女優である池脇千鶴、そして弟役の菅田将暉の演技が抜群で、圧倒的な存在感を発揮していた。特に達夫と千夏のセックスシーンの演技は、映像から匂いを感じられるほど生々しく、生きることへの強烈な想いを見せられているようなに思った。決して、キャラクターたちのセリフも多くはないにも関わらず、演技のみによって、キャラクターの表現を試みていたように思う。また、映画的なロングショットは、ほとんど無かったにもかかわらず、生々しい映像によって映画を飽きることなく見せていたことが、作品自体の情感を醸し出す結果となっていた。
 久々に息苦しいほどの生々しさを持った映画を観たと感じる作品であった。その強いメッセージ性は、映画の中に散りばめられている「家族とは縛るものである」ということに他ならない。作品の全体を通して不幸な家族であり、それを抜け出そうと必死に足掻くのだが、最終的には家族という縁を断ち切ることが出来ないというものである。これは現代の家族というものが、かつての古い封建的な社会のような安らぎや安心を与えるものではないということの、痛烈なメッセージであることに他ならないように感じた。そしてまさに性は生であり、血縁ということにつながる。家族と共に生きるということは、苦しいことであるというのを、強烈に観客に問うてくる。それは映画の冒頭のシートとラストシーンで語られる達夫の妹からの手紙でも明らかであろう。それでも、人は独りでは生きていけず、生きていくには誰かと共に生きていかなければならないということを表しているのが、ラストシーンの海辺で微笑む千夏の演技であるように感じた。

今回はこんな感じです。
相変わらずの文章構成能力の低さに愕然としますね。(涙)
実は、映画公開前から注目していた作品だけに、期待度が高かったので、キネマ旬報で1位を獲得した時は嬉しかったですね。
まだまだ、映画を観るセンスは錆びついてないなぁと感じました。
総評としての感想は、評論にも書きましたが、息苦しいほどの生々しさがあったように思います。
第2回三島由紀夫賞の候補の文学作品が原作とあって、このような映像の映画は、最近ではお目にかかれないような作品でした。
次回の映画評論は、夏ということでホラー映画などを評論できれば良いかなと思っています。
また、情報の間違い評論のリクエストなど、コメントを頂ければ嬉しいです。

カリメン2号
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時をかける作品

2015年07月18日 11:30

暑さのせいで、頭も体もドロドロに溶け始めているカリメン2号です。
最近は何とか時間の融通を聞かせて、映画館まで足を運んでいるのですが、思いのほか良い映画に巡り合えていない気がします。
随分と良い映画を探知するレーダーみたいな感覚が、学生時代に比べて鈍くなっているように思います。
それはさておき、近年の映画作品の傾向としては、名作と言われているタイトル最新作が公開されているように思うのです。
『ターミネーター:新起動/ジェネシス』や『ジュラシック・ワールド』など、映画史にその名を残してきたタイトルの新作が、新たに息吹を吹き込まれ劇場で公開されます。
この流れは『猿の惑星:創世記』がCG技術の向上に伴い、映画としてヒットしたことに端を発しているように思います。
今までの映像では表現しきれなかったものを、CG技術の向上によって、新たな映像譚として息吹を吹き込まる形となっているのではないでしょうか。
まぁ、何度もこのブログでも言っているのですが、今年はSF映画が豊作であり、アニメ映画も秋に公開予定の『虐殺器官』や、最近では劇場公開された『攻殻機動隊 新劇場版』などが、そうであるように思えます。
長く愛される作品の中には、作品と同様に長く愛されるキャラクターの存在が、必要不可欠のように思います。
例えるなら『ターミネーター』シリーズで言うところのターミネーターであり、『バットマン』シリーズの悪役などではジョーカー、『スターウォーズ』のダース・ベーダーなどが、それに当てはまるのではないでしょうか。
そのキャラクターたちは、物語の主人公であるとか悪役であるとかは関係なく、作品が語り継がれていくことによって、そのキャラクター自身が永遠とも言える「生」を手に入れることに、他ならないように思います。
キャラクターの中には、長い年月によって、初期の作品と微妙に設定が変化している者もいますが、それでも根本的な部分は、やはり変わらないと思うのです。
まぁ、時代劇で言うなれば、『水戸黄門』の「この紋所が、目に入らぬか!!」とセリフであり、『遠山の金さん』ではお裁きの時に、必ず桜吹雪の入れ墨を見せるという行為ですね。
所謂、その作品の固有定型的なパターンが、長く愛される作品には多いように思います。
その作品の監督者が変わっても、名作としてのタイトル作品は、キャラクターの根本的な部分や作品としてのパターンは、変化させてはならないように感じます。
そのことが名作タイトルとしての根幹をなす部分でもあるからではないでしょうか。
全ての物語に対して一貫性のあるキャラクターではなくても、どこかにあるであろう並行世界に存在するような同キャラクターが、物語の中でのみ作品を行き来しているような感覚に近いですね。
作品が誕生して25周年記念して、制作された『攻殻機動隊 新劇場版』を鑑賞して、そう感じてしまいました。
まぁ、作品として挑戦的なことは、ビックタイトルであればあるほど難しいですが、確立したキャラクター達が織りなす物語は、観ていて心地良いものでした。
今回は単なる独り言なので、観てきた映画の総評とかは、特にする予定はありませんが、『ターミネーター:新起動/ジェネシス』や『ジュラシック・ワールド』などのビックタイトルがあるのは、映画ファンとしては嬉しい限りです。
まぁ、あまり期待しすぎると、面白くなかった場合のダメージがキツイですが…。

今回はこんな感じです。
久しぶりの独り言のような気がします。
何とかこのブログを運営するだけで、手一杯のカリメン2号なので、作品紹介や映画評論が追い付かないの現状ですね。
次回は何とかして映画評論をアップしたいです。
出来るかな…。

カリメン2号

始まりは、いつも思い付き

2015年07月14日 11:02

「暑い、溶ける、しんどい。」という3つの単語しか、最近は使っていないカリメン2号です。
正直に言いますと、早くも夏バテ気味なのですが、それでも何とか頑張っています。
高校の学祭といえば普通は秋なのですが、近所の高校では、こんな暑い夏の時期に学祭が行われます。
まったく、学生もご苦労なことで。
出身高校が意外にも家に近いため、身近で学校祭の雰囲気を味わえるのは良いのですが、暑い日差しの中で仮装行列をさせられている学生を見ると、少しばかり可哀想に思えてきますね。
まぁ、今ではそれを微笑ましく見ているのですが、カリメン2号が学生だった当時は、この苦行は何の修行なのだと思っていました。
特に自分が高校生の時は、生徒会の役員をしていた事もあり、この苦行に強制参加という形になっていたので…。
カリメン2号にとって学校祭とは、まさに黒歴史なのです。
それはさておき、仮装で思い出すのはコスプレなのですが、この学校祭の関係以外でカリメン2号は、コスプレなるものをしたことがありません。
ただ一つの記憶を除いてですが…。
その出来事を、少しばかり話したいと思いますので、お付き合いいただければ幸いです。

大学のサークルと言われて、皆さんはどの様なイメージを持たれるでしょうか。
実際の大学サークルは大小含めると、かなり多く存在し、その活動目的も各サークルによって様々です。
まぁ、中には活動自体していない、名前だけのサークルもあるのですが…。(ここでは、触れないで置きましょう。)
カリメン2号が大学生の時にも、それなりに大学サークルは多くあり、自分も一生懸命にサークル活動を頑張っていました。
しかしながら、そのサークルは創設したばかりの弱小サークルで、サークル加盟人数も数えるほどしかいませんでした。
そんな弱小サークルが生き残るためには、新入生の加入が必須条件なのは言うまでもなく、まさに死活問題でした。
どの様に勧誘をすれば人目を引き、サークル自体に興味を持ってもらえるのかが、全ての鍵なので、当時のサークル仲間とは深夜まで話し合っていたのを憶えています。
そして、何を血迷ったのかコスプレをして勧誘をすれば、かなり人目を引くだろうという結論に達してしまったのです。
新入生の入学式に合わせて、衣装の作製と看板や幟まで作って、サークル勧誘を目的にしたコスプレを敢行!!
大学の入学式という式典当日に、ゲリラでコスプレのサークル勧誘をしました。
今にして思うと、こんなバカな事が出来るのは、学生の時だけだなぁと、改めて思います…。
インパクトだけは絶大で、自分たちの周りには人だかりが出来るほどの盛況でしたが、インパクトが強すぎたのか、結局のところサークルには新入生は入ってきませんでした。
しかし、インパクトの強さが傷痕となり、その日を境にして、自分たちの大学では学祭や部活勧誘でコスプレを、多量に見かけるようになってしまい、ある意味で大学に黒歴史を作ってしまいた。
あれは間違いなく、自分たちの思い付きが悪影響を与えてしまったことに、間違いはないと思います。

今回はこんな感じです。
今にして思うと、本当に色々と間違った方向に進んでいたと思います。
まぁ、それでも楽しかったですけどね。
衣装の作製や看板作りの作業が、まるで学祭前のような雰囲気があり、とてもワクワクした出来事でしたね。
結果がどうであれ、良い思い出の分類に入ると思います。
次回は、何にするか決まっていません。
しかしながら今現在ですが頑張って映画評論を書いています。
なるべく早くにブログにアップ出来るようにしますので、気長に待っていただけると助かります。

カリメン2号

好きなものが完結する

2015年07月04日 12:07

暑い日々に、相変わらず元気の出ないカリメン2号です。
早くも夏バテ気味テンションなので、ブログの更新も進まないですね。
まぁ、元から低速のブログ更新なので、停滞していても問題ないですが…。
ともかく最近の記事の内容が、少し思想色が強くなって来ていたので、本来のゆるい感じに戻そうと思います。
前のブログにも書いたのですが、「好きなものが完結しない…。」という事で、好きにライトノベルを紹介しました。
そんな中で、注目していた作家さんのライトノベルが、早くも完結してしまいました。
何十巻も続くとは思っていませんでしたが、5巻で完結してしまうとは、あまりにも早い…。
前作の『ラグナロク』シリーズは名作であった様に思いますが、幾分ストーリーとしての風呂敷を広げ過ぎにより、収集が付かないよな部分がありました。
今回はそんなライトノベルの『アークⅨ 死の天使』を紹介いしたいと思います。

ストーリーは、今までの文明の終わりを告げる「失われた日」という日を境に、人類文化は一変するのであった。人間は今や高さ3000メートルの壁によって、地球の半分の範囲でのみ生活を送っていた。かつてはそれぞれの国で生活していたのだが、「失われた日」を境に、「変異」という人を異形の者に変える「リヴィガルド症候群」が流行り、電波や通信を阻害する「ノイズ」は発生するようになった世界。そんな世界で箱舟(アーク)と呼ばれる居住地区の「アークⅨ」で暮らす紫堂縁(しどう えにし)は、幼馴染のレベッカ・ロスと一緒に、探偵事務所(何でも屋に近い)をしていた。そんなある日、1人の男を探して欲しいという依頼を受けるのだが、捜索の最中にマフィアからの襲撃を受けるなどの妨害工作に遭うのであった。やっとの思いで見つけた男は、発症すると「変異」を引き起こす可能性のある「リヴィガルド症候群」の特効薬を、オルバース製薬から盗み出していたのであった。世界を変えるほどの薬を手に入れた縁は、自分たちを襲撃したのがマフィアのレッツィーオ一家で、彼らは「福音の十字教団」という過激な宗教団体から、特効薬の奪還を依頼されていたというのを聞かされるのであった。そしてレッツィーオ一家のボスであるジョルジオから、その特効薬が「リヴィガルド症候群」を人為的に引き起こすものだという、衝撃の事実を聞かされた縁は、アーク全体を管轄する安全管理局を目指すことになる。そんな中、共に行動していた幼馴染のレベッカが「福音の十字教団」の刺客によって、「変異」を引き起こす薬を打たれてしまうのでった。縁はアークの安全管理を統括している管理局統合情報部のヒルデガル・ワーズワースのコネを使い、なんとかレベッカの「変異」を抑えようと薬を検査しようとするのだが、そこでオルバース製薬の刺客である、傭兵のエスメラルダ・チェカと出会うのであった。彼女は「変異」しながらも意識を保ち続けている特殊な体質であったのだ。縁は忍術を駆使して、なんとかエスメラルダを撃退したものの、「変異」を引き起こす薬は奪われてしまう。縁は真相を確かめるため、オルバース製薬に乗り込む決意を固めるのであった。

その日、人類は世界の半分を失った――

『ラグナロク 黒き獣』で第3回スニーカー大賞受賞した安井健太郎の作品です。
魅力的なキャラクタ―が織りなす物語と、疾走感のあるバトルシーンは定評があり、流石と言った内容となっていたと思います。
2006年11月に『ラグナロク』シリーズの最後となった刊行から、7年という歳月を経て、待望の新作『アークⅨ』シリーズが刊行されました。
ファンから言わせると「ずっと待ってましたよ、安井さん。お帰りなさい。」と言ったところでしょうかね。
特に良かったと感じたのは、『ラグナロク』シリーズのような純粋なファンタジーでは無く、近未来のSFファンタジーであるところだと思います。
如何せん執筆の遅さは、『ザ・スニーカー』の雑誌掲載時から知ってはいましたが、大賞を取った文章の構成力やキャラクターの作り込みは、流石と言えるものです。
また、『ラグナロク』のリロイのような、圧倒的な強者では無く、精神的にも肉体的にもボロボロになりながらも、前に進む姿が好感を持てました。
しかし、しかし!!
つい先日に発売された新刊が、なんと最終刊という衝撃の事実…。
今回の『アークⅨ』シリーズも4巻にして、色々な伏線が見え隠れしており、これは期待できると思っていたのですが…。
本当に残念でなりませんね。
一応ですが完結という形にはなっているようですが、消化しきれていない伏線を見ると、打ち切りではないかと思ってしまいます。
2巻の特別仕様では、OVAが特典として付いていたので、上手くすればアニメ化かとも思っていたのですがね。
まぁ、最終巻のあとがきには、新作への意欲を語っていたので、次回作に期待ですね。

今回はこんな感じです。
最近は特に、思想的なブログ記事が多かったので、ここでブレイクがてらに紹介記事をアップしました。
次回は何にするか決まってはいませんが、早い段階で映画評論をアップ出来ればと思っています。

カリメン2号